ご挨拶
患者由来がんモデルは基礎研究のみならず前臨床試験のツールとして重要な役割を果たしてきました。ゲノム解析など新しい科学によってがんの分子レベルの理解が進めば進むほど、そして研究成果の治療応用への期待が大きくなればなるほど、がんモデルの重要性は高まっていくでしょう。
過去半世紀にわたり患者由来がんモデルは世界中で使われてきました。しかし、患者由来がんモデルには、学術的に多くの課題が残されています。たとえば、モデルの樹立成功率は報告によってまちまちで、何が樹立成功率を決定しているのか、未だわかっていません。また、樹立されたモデルは生体の何をどれくらい反映しているのかも不明です。そして、患者由来がんモデルを用いて実際の患者さんの治療応答性を予測できるかもしれないと期待されていますが、臨床研究としてきちんと調べられた例はありません。さらに、免疫療法など新しい治療法に対応するモデル系の構築が求められています。このような課題に一つ一つ取り組んでいくことで、患者由来がんモデルを今まで以上によい道具にすることができるでしょう。
本研究会では、患者由来がんモデルを組織的に構築していたり、基礎研究や前臨床試験に使っていたり、あるいはモデル構築のための基礎研究を行っている研究者の方々に御講演をお願いしました。患者由来がんモデルのさらなる有効活用と関連する研究分野の発展に向けて、活発な議論を期待しています。
本研究会が、患者由来がんモデルに興味のある方々の交流の場となることを願い、皆様の御参加をお待ちしています。
末筆ながら、皆様の臨床・研究・ビジネスの益々の御発展をお祈り申し上げます。
近藤 格
国立がん研究センター研究所
希少がん研究分野
7月31日(水) | |
時間 | 内容 |
13:00 |
開会の言葉 近藤 格(国立がん研究センター 研究所) |
13:10 |
基調講演 1 座長:近藤 格(国立がん研究センター 研究所) Robert Hoffman(AntiCancer社) |
14:10 | 休憩・展示 20分 |
14:30 |
企業招待講演 1 座長:近藤 格(国立がん研究センター 研究所) Sabine Gorynia(Charles river社) |
15:30 | 休憩 10分 |
15:40 |
シンポジウム 1 座長:近藤 格(国立がん研究センター 研究所) 岡本 康司(国立がん研究センター 研究所) |
16:10 |
シンポジウム 2 座長:近藤 格(国立がん研究センター 研究所) 後藤 典子(金沢大学) |
16:40 |
シンポジウム 3 座長:近藤 格(国立がん研究センター 研究所) 清野 透(国立がん研究センター 研究所) |
17:10 |
シンポジウム 4 座長:近藤 格(国立がん研究センター 研究所) 関根 圭輔(東京大学医科学研究所 幹細胞治療研究センター) |
17:40 | 軽食・ポスター・展示 80分 |
19:00 |
一日目の閉会の辞 近藤 格(国立がん研究センター 研究所) |
8月1日(木) | |
9:00 |
基調講演 2 座長:近藤 格(国立がん研究センター 研究所) 岡田 誠治(熊本大学) |
10:00 | 休憩 10分 |
10:10 |
シンポジウム 5 座長:吉松 有紀(国立がん研究センター 研究所) 高木 基樹(福島県立医科大学) |
10:40 |
シンポジウム 6 座長:吉松 有紀(国立がん研究センター 研究所) 濱田 哲暢(国立がん研究センター 研究所) |
11:10 |
シンポジウム 7 座長:吉松 有紀(国立がん研究センター 研究所) 古賀 宣勝 (国立がん研究センター 先端医療開発センター) |
11:40 |
昼食・ポスター・展示 80分(ポスターコアタイム:12:10~12:50) |
13:00 |
招待講演 1 座長:近藤 格(国立がん研究センター 研究所) 佐藤 俊朗 (慶應義塾大学) |
14:00 | 休憩 10分 |
14:10 |
特別講演 1 座長:佐々木 博己(国立がん研究センター 研究所) 落合 淳志 (国立がん研究センター 先端医療開発センター) |
15:10 |
休憩・展示
20分 |
15:30 |
シンポジウム8 座長:清野 透(国立がん研究センター 研究所) 宮城 洋平 (神奈川県立がんセンター) |
16:00 |
シンポジウム9 座長:清野 透(国立がん研究センター 研究所) 佐々木 博己(国立がん研究センター 研究所) |
16:30 |
シンポジウム10 座長:清野 透(国立がん研究センター 研究所) 桑田 健 (国立がん研究センター 東病院 病理・臨床検査科) |
17:00 |
シンポジウム11 座長:清野 透(国立がん研究センター 研究所) 村上 崇 (横浜市立大学) |
17:30 |
二日目の閉会の辞 近藤 格(国立がん研究センター 研究所) |
18:00 | 懇親会 |
20:20 | 終了 |
8月2日(金) | |
9:00 |
招待講演 2 座長:大木 理恵子(国立がん研究センター 研究所) 玉野井 冬彦(京都大学) |
10:00 | 休憩・展示 10分 |
10:10 |
企業講演 2 株式会社Labcyte |
10:40 | 展示企業紹介 |
11:20 | ポスター紹介 20名 |
12:10 | 昼食・ポスター・展示 60分 |
13:10 |
基調講演 3 座長:筆宝 義隆 (千葉県がんセンター) 井上 正宏 (京都大学) |
14:10 | 休憩・展示 20分 |
14:30 |
シンポジウム12 座長:野口 玲(国立がん研究センター 研究所) 近藤 格 (国立がん研究センター 研究所) |
15:00 |
シンポジウム13 座長:野口 玲(国立がん研究センター 研究所) 筆宝 義隆 (千葉県がんセンター) |
15:30 |
シンポジウム14 座長:野口 玲(国立がん研究センター 研究所) 井上 聡 (東京都健康長寿医療センター研究所) |
16:00 |
所長挨拶 間野 博行 |
16:10 |
閉会の辞 近藤 格(国立がん研究センター 研究所) |
Sabine Gorynia
(Charles River社)
Using patient-derived tumor xenografts (PDXs) for drug discovery, identification of biomarkers and facilitation of individualized cancer therapy
Robert Hoffman
(AntiCancer社)
The unique benefits of patient-derived orthotopic xenograft (PDOX) mouse models of cancer
岡田 誠治
(熊本大学)
Establishment of patient derived xenograft (PDX) and PDX derived cell lines from liver-luke associated cholangiocarcinoma tissu.
岡本 康司
(国立がん研究センター 研究所)
Understanding of cancer heterogeneity and chemoresistance using patient-derived spheroid models
後藤 典子
(金沢大学)
The replicative factor MCM10 maintains patient-derived breast cancer stem-like cells that constitutively experience DNA replicative stress
清野 透
(国立がん研究センター 研究所)
Recent Progress in Human Epithelial Cell Culture System and Its Application to Canter Research
関根 圭輔
(東京大学医科学研究所 幹細胞治療研究センター 再生医学分野)
Recapitulating pancreatic cancer ecosystems by multicellular cancer organoid cultures based on patient-derived cancer cells
高木 基樹
(福島県立医科大学)
An in vitro system for evaluating molecular targeted drugs using patient-derived tumor organoids
濱田 哲暢
(国立がん研究センター 研究所)
The project of Japanese patient-derived xenograft (J-PDX) library platform for innovative cancer research and drug development
古賀 宣勝
(国立がん研究センター 先端医療開発センター)
PDX clinical trial and co-clinical trial for development of anti-cancer drugs in solid tumors
宮城 洋平
(神奈川県立がんセンター)
Patient-derived xenograft models for a strategy to develop drugs targeting cancer cells and microenvironment interaction
桑田 健
(国立がん研究センター 東病院 病理・臨床検査科)
Clinicopathological factors associated with establishment of gastric cancer PDXs and cell lines.
村上 崇
(横浜市立大学)
Efficacy of tumor-targeting Salmonella typhimurium A1-R against patient-derived orthotopic xenograft (PDOX) malignant tumor mouse models
日本チャールス・リバー株式会社
株式会社ビジコムジャパン
株式会社ナード研究所
プライムテック株式会社
日本バイリーン株式会社
エーエムアール株式会社
株式会社高研
株式会社SCREENホールディングス
岩井化学薬品株式会社
富士フイルム和光純薬株式会社
株式会社イナ・オプティカ
ミルテニーバイオテク株式会社
JSRライフサイエンス/MBL
株式会社LSIメディエンス
BMG LABTECH ジャパン
株式会社アプロサイエンス
sainome株式会社
キコーテック株式会社/株式会社LABCYTE
AntiCancer Japan 株式会社